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10月19・20日の週末、千葉県市川市で開催された工房からの風に参加しました。
様々なジャンルの魅力的な作家の皆さんがこの場所に集まり、それぞれのテントでその世界観が広がっていて「静かに熱い」、そんな感じの会場でした。
実は今回イベントへ出展をさせていただくのが決まったのは半年以上前の3月のこと。
それから2回ほど参加作家の方々や主催側の皆さんとのミーティングなどもありました。
こんなにも事前に出展に向けての下地というか、参加する一人一人がこのイベントを形づくっていくんだという気概のようなものを気持ちのどこかで共有しながら望むクラフトイベントはあまり他にはないのではないかと思いました。
普段は一人で制作して過ごす時間がほとんど。
自分の手で物を作っている方たちがこんなにもいるという当たり前の事を忘れてしまいがちでした。
どんな仕事でもそうだと思いますが、一人で黙々と打ち込むことにはよい面もマイナスになってしまう面もあると思います。
ミーティングで他の方の口から語られる、作品についての想い、日頃考えていること、悩んでいること等々。
日々の生活やその人の生き方そのものが制作と一体になっているんだな~、という方のお話を聞いて身につまされたり。
素材との向き合い方が、もう美しいとしか言いようがないお話にまた身につまされたり。
要は、身につまされることだらけ、刺激をたくさんいただきました。
でもその方たちも年月をかけて自分の仕事を積み重ねてきたからこその、その生き方、作品ができてきているのだと思います。
私もこれから自分にとって大事なものをちゃんと精査して、取り出して、磨いて積んでいけるようにしたいと、そんな気持ちを新たにするような出会いの数々でした。
さて、そんな時間を経ての10月までの道のり。
ああでもない、こうでもないと試作を重ねていくうちに、あっという間に時間が過ぎていきました。
格闘するうちに段々と素材である土との距離が縮まったようにも感じ、それは大事にしてもいいのかなあと思います。
当日の二日間は、雨でのスタートにも関わらずたくさんの方が来場されました。
前の週の台風19号や、その後も週末ごとに悪天候に見舞われた今年の千葉周辺の状況を考慮すると、
この二日間にイベントを決行できたこと自体感謝しかないという感じです。
しかしその舞台裏には、会場整備のための主催のみなさんやお手伝いくださったたくさんの方の並々ならぬご尽力がありました。
本当に頭が下がります。
土曜の午前中には雨は上がり、足元の悪さをものともせず見に来てくださる方々のなんとありがたかったことか。
来場者の方も、すごく熱心に見てくださったり、説明を真摯に聞いてくださったり、本当に温かかったです。
中には、マグカップを買って下さった方で何気なく会話をしていたら「何年も前からずっとマグカップを探していたんだけれど、気に入る物がなくて。ようやく見つかりました。」とおっしゃって下さる方もいました。
正直涙が出てもおかしくないくらい嬉しかった出来事でしたが、一応場をわきまえた反応に抑えたつもりです。
真剣に悩んでいる方がたくさんいらしたことも嬉しかったです。
悩んだ末に選ばれなくても、それだけひっかかってくださったこと自体がうれしかったですし、
そして悩んだ末に選んで下さった方は、きっとその後も大切に使って下さるんだろうなと思ったり。
そして使ううちにより気に入っていただける物を作らないといけないな、とも一層思いました。
この場所でのたくさんのご縁、時間を、これからの作品の中に昇華させていきたいなと思います。
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I participated in a craft event "Koubou kara no Kaze" ( =winds from ateliers) on 19th and 20th October which took place in Ichikawa, Chiba.
There were about 50groups of crafters of various category of materials, their works were florishing in the each tents at site, which made up the calm but enthusiastic atmosphere.
It was in March when I received a letter which told me that I would be able to take part in this event.
We had 2 meetings of all the participants and organizers. I think it is pretty rare for one craft event that all the members share the recognition about the object or a motivation towards the event from the starting point.
Usually I spend alone in my work space, and it is so easy to forget the fact that there are a lot of other people who are or are trying to be craft makers and artists in this world.
And there are both upside and downside about working alone. It surely is the case for any kind of job.
It was a good opportunity to meet those attractive other "collegues" to learn about their creations, thoughts and attitudes toward work, or their strrugles. Others are always a mirror of yourself, and I found in them so many things that I haven't acquired or I can't or I don't do.
But their style is built up on their precious days and years of their own struggles.
I have once again refreshed my motivation to build up my own layers of ''what counts for me''. You can't never gain that by copying others even by unconciously.
Sharing the starting point, I had tried to develop my own works until October.
After many tests, I felt that at least I made a closer relationship with my selected material, clay.
I can maybe believe that it is something.
Despite the bad condition of the weather, (It rained cats and dogs the night before, in addition to the constant rain of the whole week and typhoon.) there were a lot of visitors. I was impressed that almost all of the visitors listened to us carefully and warmly, and were passionate about crafts.
One of the unforgettable words was from a lady who purchased a mug, she told me that she had been looking for a mug for few years, and said " Finaly I found it".
My days of endless tests were recompensed for those words and her smile.
I am grateful for this precious opportunity, and I hope I can integrate the fragments I've collected through meantime into my work someday.